在宅医療を提供するクリニックにとって、夜間・休日の往診体制は最も重い負担のひとつだ。ON CALL は、その受電から往診までを、医師・看護師・救急救命士のチームで丸ごと引き受ける。24時間対応を自前で抱えきれない医療機関にとって、事業の継続そのものを支えるインフラに近い。
届けるべき相手は全国にいる。一方で、関東の営業は2名。「どの医療機関に、どう当てるか」を設計しながら、同時に当て続けなければならない。8ヶ月間の取り組みを、森様・富田様に聞いた。
ISとFSを兼任していて、自分たちで戦略も立てながら動かなければいけない会社に、すごくおすすめできると思います。
── 株式会社on call 富田様
なぜか:兼任組織では「企画を考える時間」と「実働の時間」が奪い合いになる。MOVEMENTは実働と、そこから返ってきた市場の反応を企画に戻す工程までを担うため、兼任のままでも両方が回り続ける。
森様:在宅医療を提供されているクリニック様や病院様に対して、夜間帯・休日帯の往診対応をアウトソースいただき、私たちが代行するサービスです。当社が抱えている医師や、同行する看護師・救急救命士を派遣して、クリニック様のお名前を名乗って往診対応まで行います。夜間・休日の受電から往診までを、まるごとお引き受けするかたちですね。
森様:在宅医療の仕組み自体、一般にはあまり知られていないと思います。私自身、祖母が在宅医療を利用し始めて、こういうサービスがあるんだと知って入社しました。24時間体制を医療機関側が自前で運営するのは、本当に負担が大きいので。
森様:2人とも関東エリアの営業担当です。新規の医療機関様に架電をして、アポイントが取れたら各地域で商談を実施し、受注まで繋げる。いわゆるインサイドセールスとフィールドセールスを、両方兼任している状態です。
富田様:会社全体で20名ほどの組織なので、関東の営業専任は2名。リストへのアプローチから商談、クロージングまで、基本的に自分たちで完結させています。
森様:当社のサービスは、対応エリアと、在宅医療の機能を持っているかどうかで、お役に立てる医療機関がはっきり決まります。ですので「取りたい医療機関」自体は明確なんです。難しいのは、そこに当て続ける実働と、当てた結果を見て次を考える企画を、2人で同時に回すことでした。
富田様:ISとFSを兼務していると、たとえばクリニック様から「◯時以降に折り返してほしい」と言われても、その時間に商談が入っていれば物理的に折り返せません。機会損失がどうしても発生してしまう。
森様:商談を埋めるための架電は基本的に私がやっているのですが、2人分の商談枠を毎週架電だけで埋め続けるのは、かなり難しいです。手が止まれば、翌週の商談が枯渇してしまうので。
森様:会社同士の繋がりがあって導入したのがきっかけだったのですが、お付き合いを続けるなかで、「アポの定義」の部分だったり、件数が時期によってバラバラだったり、といった課題が出てきました。使わせていただいている以上は、しっかり結果に繋がるものを使いたいと考えていて。
森様:ちょうどそのタイミングで、イベントでお会いしたのがきっかけです。「アポの質については徹底的に白黒つけます」というお話と、獲得したあとの追客まで一貫してやってくださるという説明を伺って。それなら結果に繋がるかもしれない、と。
森様:まず、対応エリア内で、かつ在宅医療の機能を持った医療機関に絞ってアプローチしていただいています。アポイントだけでなく、資料送付までを含めて接点を作ってもらう。そのうえで、NGだった場合にどういう理由だったのかを詳しく残していただいて、それを見ながら次の施策を一緒に議論しています。
富田様:受付でどう断られたか、事務長がどんな懸念を持っていたか。そこが詳しく残っていると、私たちがフォローの架電をする時のアポ獲得率が全然違うんです。真っさらなリストにかけるのとは、比べものになりません。
| アポイント獲得 | 7件 | 6.03% |
| ニーズなしでお断り | 36件 | 31.03% |
| 受付でブロック | 35件 | 30.17% |
| 規定回数アタックするも接続できず | 25件 | 21.55% |
| すでに他社サービスを導入済み | 5件 | 4.31% |
| その他(番号無効・本部一括管轄・再連絡希望など) | 8件 | 6.90% |
私たちが最も時間を使っているのは、架電そのものではなく「NGの理由を構造化して、次の企画に戻す」工程です。断られ方には必ずパターンがあり、そこにしか次の打ち手のヒントはありません。上の分解であれば、打ち手は「ニーズ訴求の改善」ではなく「受付突破と架電時間の再設計」だと即座に決まります。狙いたいターゲットから返ってきたリアルな反応を材料に企画を組み直し、また当てにいく。この往復の速さが、そのまま成果の差になります。
森様:データに基づいた提案をいただけるのが、すごくありがたいです。「他社サービスの利用率が何%でした」といったデータが可視化されているので、それを見て自分たちのアクションを変えられる。トークスクリプトを定期的に変えたり、リストへのアプローチの仕方を変えたり。そこは大きな変化だと感じています。
森様:はい。当社にとって大きな出来事だったのですが、そこも一緒に考えていただけました。「実際にかけてみたらこうでした」というフィードバックをすぐにいただけるので、「じゃあ次はこうしよう」と、次の施策がスムーズに打てています。
「実際にかけてみたら、こうでした」がすぐ返ってくる。
だから、次の一手を迷わず決められるんです。
森様:直近では、新しく開拓した神戸エリアで、リスト116件に対してアポイントが7件。獲得率にすると6.03%でした。これまで一度も当てたことのないエリアで、初回のアプローチでこの数字が出ているのは大きいと思っています。
関東・関西を合わせた8ヶ月間では、創出された商談が60件。うち9〜10件が受注に至っている。獲得した商談のうち、患者数100名以上のクリニックが約5割を占める。
森様:私が担当したなかで、大きいものが2件あります。1件は患者数700名規模、もう1件が500名規模のクリニック様です。当社の基準では、どちらも「大型」と呼べる規模になります。
富田様:私の方でも、いま4回目の商談まで進んでいる案件があって、患者数でいうと2,000名を超える規模です。決まれば当社として過去最大規模の案件になります。きっかけを作っていただいて、本当に感謝しています。
森様:ISとFSの間で「アポの定義」が曖昧になって、FSが訪問した時に「これ、本当にアポって呼べるの?」という不満が生まれる。よくある話だと思うのですが、そのストレスが全くないんです。初期から回数を重ねてすり合わせをしてきたので、認識のズレがない。
富田様:リスケも、ほとんど発生しないですね。訪問する側からすると、遠方まで足を運んだのに商談が流れる、というのが一番きついので。
リスケジュールがほとんど発生しないのは、前日のリマインドを徹底していることと、"アポにすべきもの"だけを選別しているためです。件数を追わない代わりに、訪問する価値のある商談かどうかを毎回判断しています。
森様:いまは、エリアと在宅医療の機能で絞り込んだ医療機関に対して、質の良いアポイントが取れている状態です。次は、その質を保ったまま、数をもっと増やしていきたい。
森様:ただ、アプローチ先を広げれば、当然ターゲットとしての確度は下がっていきます。どこまで広げれば質が落ちるのか、それは実際に当ててみないと分からない。そこを、市場の反応をフィードバックいただきながら一緒に見極めていけるMOVEMENTさんとなら、踏み込めるんじゃないかと思っています。
森様:正直なところ、リストの更新ができていませんでした。自社のデータベースにある医療機関に、ずっとアプローチしている状態で。ただ、医療機関は毎月のように増えているので、実はターゲット自体も増え続けているんですよね。そこを手伝っていただいて、ターゲットリストが倍近くまで増えました。
富田様:単にリストを作るという話ではないんです。医師会のデータベースや求人情報、マップのデータベースまで取得して、当社のサービスを使っていただける可能性がある医療機関を洗い出す。しかも、繋がりやすい時間帯──つまり診察時間や電話番号まで揃えて、更新し続けられる体制まで作っていただきました。
リストは買うものではなく、組み上げて更新し続けるものだと考えています。母数が止まっていれば、どれだけ架電の質を上げても成果には天井が来る。一方で、広げれば確度は必ず下がります。だからこそ「どこまで広げると質が落ちるのか」を、実際に当てた反応で測りながら決めていく。企画と実働を切り離さずに持っていることが、この判断を可能にしています。
富田様:やっぱり、私たちと同じようにISとFSを兼任していて、自分たちで戦略も立てながら動かなければいけない会社様には、すごくおすすめできると思います。兼任していると、どうしても手が回らない部分が出てくる。そこを切り分けて任せられるのが、一番のメリットだと思います。単に架電するだけの代行ではなく、ミーティングを重ねて一緒に戦略を考えてくれるパートナーは、役割が多くて忙しい会社にとって、非常にありがたい存在になると思います。
森様:私も、全く同じ意見です。
ISとFSを兼任している組織では、「企画」と「実働」が同じ人の中で時間を奪い合います。商談が入れば架電は止まり、架電に集中すれば次に誰へ当てるかを考える時間がなくなる。どちらかが必ず犠牲になる構造です。
私たちがお引き受けしているのは、実働だけではありません。実働から返ってきた市場の反応を、企画に戻すところまでを担います。だから兼任組織であっても、「企画と実働が両方回り続けている状態」を維持できる。株式会社on call様の8ヶ月は、この往復が一度も止まらなかった結果だと考えています。
こちらが伝えたことを全て形にして、
次のミーティングまでに準備してくださるスピード感に、助けられています。